かれこれ30年前、断熱施工は、外壁側に押し込んで施工するもので、理由は、夏の暑さ対策の為に断熱材を入れるので、室内側に入れるのではなく、外壁側に施工するのが正しいと教えられた時は、そうなんだと納得して信じてしまった。
今考えると笑えます。
何故、そんな事を信じてしまったのか。
知らないからですけどね。
住んでいた家が、暑くて寒い家だったので「家とは」暑くて寒いものだと思い込んでいたのかもしれません。
数年後に外断熱を知り、また、数年後にセルロースファイバーと言う断熱材を知って、断熱に対しての知識が少し深まりました。
建築業界に入り、20年がたったことの話です。
2012年ですから9年前の話ですが、当時は、今みたいに断熱性能に対しての意識が低かったですね。急な高断熱住宅のかじ取りに戸惑った方も多いと思います。
断熱性能が高い住宅が作れることを知らない人が多かったのでは。
その為、断熱性能は、施工の仕方で変わると言っても分かってもらえなかったですから苦労しました。
冬に寒い原因として、建物内で起こる気流が問題になることを説明しても素直に聞き入れられない事が結構続きました。
気流止めの説明は、取れもシンプル判り易い話なのだと思うのですが。
自分の家の欠点を言われていると思ってしまうのでしょうか。
また、理解しても本当に、そんな事で断熱性能が変わるのか?と・・・。
確かに、簡単な理屈なので気流を止めれば断熱性能が上がると言われても。
「はい、そうですか」と信用される事は無かったかもしれません。
ここ数年位から、気流止めがどんなものか知っている人が増えてきたのは。
9年前は、ほとんどと言っていい程、知らない人の方が多かったと。
気流止めについて、いまだに判らないという方もいらっしゃるようですから。
断熱材は何を使ったらいいか。
建築会社も、断熱材に何を使っています。と相も変わらず、商品の性能をアピールしていたりします。
ただ、日本の気候は特殊で、地域によっての差が大きい事と、高温多湿、低温低湿と言うジメジメとカサカサが起こるので、断熱が難しいのもあると思います。
夏の断熱と冬の断熱と言う事になりますね。
建物内の空気を動かして、夏と冬の冷暖房効率を上げるという考え方があったり、家の下に深く穴を掘って地熱を利用するとか、様々な工法があるのも珍しい事なのだと思います。
気流止めの考えと違う考えで行われているような工法もありますが、ここ注意しないといけないところです。
決めれなく連続した断熱が行われていて、計画的に空気を動かす分には問題が無いという考え方もありますから。
重要な事は、断熱材が切れ目なく連続して施工がされている事です。
切れ目があって連続性が無い断熱材の施工は、熱欠損が生じて断熱性能が悪くなり、経年によっても断熱性能が下がる可能性がある。
断熱材の施工は、断熱材を選ぶより重要なポイントになる。
断熱性能が高い住宅は、温度変化が少ないので身体に付加が掛からない事に加え、空気環境も安定するので、身体にいい影響を与えることができる。
やってみないと分からない事に費用を掛けるのはリスクが高い事ですが、これから、どこで施工しても断熱施工がしっかりできる様になり、断熱改修が普通に行われる様になるのだと思います。
あと3年の内になると思いますが、それまでは、よく確認して建築会社を選ばないと後悔することになってしまうかもしれません。
読んでいただきありがとうございました。
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