セルロースより安いグラスウール 

室内空気改善断熱

断熱材の性能を示す数値として使われる熱伝導率は「厚さ1m・面積1㎡の断熱材の表裏に1℃の温度差がある時、1秒間にどのくらいの熱量が移動するか」を示した数字です。・・・(;^ω^)

「熱伝導率の数字が低い=熱を伝えにくい=断熱性が高い」と言う事になります。

しかし、です。

状況によって熱の伝わり方は変わってきます。

数値を測定するので、同じ条件でなければいけません。計測時の条件と建築時の施工は、同じ条件にはならないものです。

測定時の条件と同じ状況を施工時に行う事が出来れば、断熱材の性能は熱伝導率に近い性能となる・・と・・・。

施工上、断熱性能が出やすい断熱材の施工を参考にすると、測定時までは行かないまでも、性能が発揮される測定条件に近い施工になっていると思われます。

施工上、性能が発揮できる断熱材と言えば・・・。

そう、セルロースファイバーです。

セルロースファイバーは、天然の木質繊維(古紙)を利用したばら状に断熱材。

繊維の中にある気泡に含まれる空気が断熱性、吸音性を発揮。

木質繊維なので、素材そのものに湿気を吸収したり放湿したりする機能があります。

私が教わった話では、大量の新聞紙を廃棄費用等を考え、再利用できないかを考えた時に、繊維中にある気泡に含まれる空気が断熱として利用できると、断熱材として利用する事を思いついた方がいらっしゃり、断熱材として利用する事になったと・・・。

1950年代に開発されて、1970年代に米国で一般的に使用され始めたと・・・。

施工には、乾式、湿式の2つがあり、主に乾式で行われる事が多いと思います。

湿式は、水に、糊を混ぜて崩れにくくしているので、乾燥剤も入れて早く乾くようにはしていると思いますが、日本の住宅は、木造が多いので、構造含めビシャビシャに濡れてしまうと、乾燥剤を入れているにしても、乾燥に時間が掛るだけでなく、構造材に狂いが生じる等あるので・・・。

鉄筋工ンクリート造では、良いのかもしれません。

乾式は、乾燥したものを充填していくので、問題はあまりありません。

考えられる問題としては隙間です。

以前、構造上の隙間が床と壁の間に出来るとお話したことがあります。根太材の厚みですから45㎜程度あるので、そのままでは、漏れ出てしまいます。

こんな感じですから・・・。

その為、隙間を埋める必要が出てきます。

施工に使うシートで塞ぐ、木材を使って塞ぐと言った形で、建築会社によって違いはありますが、施工上、発生してしまう隙間を埋める事を行っている事が、結果的に、気流止め施工を行っている事になっている事で、壁内の気流を軽減して、断熱性能が発揮できるようにしている。

グラスウールやロックウール等の繊維系断熱材は、隙間があっても断熱材がこぼれ落ちる事がないので、施工上の隙間を塞がずに入れている事が多く、気流が発生して断熱性能を下げている建物が多いと・・・。

グラスウールの熱伝導率は24Kで0.036。

ロックウールの熱伝導率は0.038.

セルロースファイバーは、0.040.

測定数値上では、断熱性能が低いセルロースファイバーを使った住宅の方が、断熱性能が高いと言うのは、面白い話だと思います。

と言う事は、正しく施工を行えば、グラスウールの方が、断熱性能が高い住宅ができる事になります。

セルロースファイバーに比べて、グラスウールの方が材料費は安い。

気流止めを行って、正しくグラスウールの施工を行ったとしても、セルロースファイバーの施工よりも安くできる事は間違いありません。

断熱仕様がグラスウールの建築会社で、正しい施工を行っているかをよく確認して。

住設機器を見直せば、基本性能が高い住宅を安く手に入れられると・・・。

週末、建築会社に行かれる方は、断熱施工方法を確認しましょう。

営業マン・・今時は、営業マンではなく、アドバイザーですかね。

答えられたら◎です。

答えられなくても、分かる人に確認して後日、回答になっても確認を・・・。

読んでいただきありがとうございました。

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