テクスチャーってご存じですか。
塗り壁の、塗りパターン、柄の事です。20年位前に、自然素材塗り壁材が流行った時に、鏝斑をあえてパターンとしての塗り方が流行、現在も引きずっている感じです。これは、素人さんが塗れる材料できれいに塗れないのをごまかす形で生まれた塗りかたで、プロの職人に説明しても「何それ」となることがあります。
また、平らにならす過程で出る鏝筋を柄に見立てるので、鏝筋と平らな部分では塗り厚の違いが大きく、平らな部分が薄くなりがちになります。また、細かい話ですが、平らな部分が多いので、吸湿量は微妙に少なくなります。
本来、吸湿性または、珪藻土や珪藻頁岩の様な調湿性能がある素材を使う場合は、面が多くなる塗り方をした方がいいと言われます。
平らに塗るより、面を多くして塗る感じです。
例えば「ナチュラルストーン」という塗り方です。他にも「ストーンウォッシュ」という言い方をすることも。
適度な凹凸があるので面が多くなります。その分、面積が増えるので、平らに塗るよりも吸湿面が多くなるので吸湿量は増えるわけです。
稀に、平滑に塗ってほしいという要望をされる方もいらっしゃいますが、その場合、骨材が入ってい無い材料を使わないといけないので、漆喰風の材料では出来ないのと、仮に骨材が無い材料を使っても、平らに塗るのは高い技術が必要なので手間代が高くなります。
知らないというのは怖いもので、塗るという作業が一緒だと手間も一緒だと思ってしまう。塗り方によっては、材料を多く使わなくてはいけない塗り方もあるので、テクスチャーによって本来、施工手間は変わるのですが建築会社も同じ感覚なので、その尻拭いを誰かがしています。
塗り斑を付けた塗りっぱなしの塗り方は、吸湿性を少なくするだけでなく補修時の補修跡も目立つので出来れば採用し無い方が良いと思います。平らに塗れる部分は、塗り厚も薄くなりがちで、骨材が擦れたように軽く引っ掻いた様な個所が出来ます。塗り厚が薄い事で起こる事もある現象です。建築会社に居る時に、それもパターンと言わなくてはいけなかったのは辛かった。職人が下手なのではありません。塗り方自体が存在しないので職人に文句を言わない様にお願いします。職人に素人の様に塗ってはお願い自体に無理があると思います。
塗りのパターンは、時間を取って施工時に相談して決められるといいと思います。
自分で作っているサンプルは、「ナチュラルストーン」を真似て作成しています。職人の様に上手くできませんが、補修に使った写真を見ると補修跡が分かりにくい事が分かります。
「シャイニング大地」は、補修跡が残りづらいですが、凹凸を多くして塗ることで分かり難くなっていると思います。
テクスチャーも重要ですが、「何故」その塗りかたなのかも考慮して決めるといいと思います。
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